冬場の乾燥に要注意！ ドライアイはれっきとした病気です

編集部「普段何となくドライアイかも、と自己診断していますが、具体的にどんな病気なんですか？」

久保田明子院長「ドライアイとは、目を守るのに欠かせない涙の量が不足したり、涙の質のバランスが崩れることによって、目を保護する涙が均等に行き渡らなくなり、目の表面に傷が生じる病気です。

下記の症状に5つ以上チェックが入る方は、ドライアイの可能性があります。

☑ものがかすんで見える
☑目が重たい感じがする
☑目が痛い
☑光を見るとまぶしい
☑涙が出る
☑なんとなく目に不快感がある
☑目がかゆい
☑めやにが出る
☑目が疲れる
☑目が乾いている感じがする
☑目がゴロゴロする


もうひとつが、10秒チェック。
10秒以上、目を開けたまま、まばたきを我慢できるかどうかも診断材料に。

10秒以上がまんできない、まばたきの回数が多い（40回／分以上）方は、ドライアイを疑ってみましょう。」

編集部「ドライアイって、体質的なもの？ それとも何か原因はありますか？」

久保田明子院長「ドライアイには、2パターンあります。
もともと涙の量自体が少ないタイプと、涙の量自体は減っていないけれど、涙の安定性に問題があるタイプです。

ドライアイと診断される方の大半は、２番めの涙の安定性に問題があるタイプ。
これは、普段の生活環境に要因があります。

まず気をつけたいのが、”3コン”と呼ばれるもの。
1.エアコン
2.パソコン
3.コンタクト

エアコンで乾燥した部屋はドライアイの大敵。加湿器を利用したり、風の向きを調整して直接風を受けないようにするなどの対策を。

現代人に欠かせない、パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器の使用も原因のひとつ。お仕事などで止む終えない方も多いかと思いますが、長時間の使用は控えて、休憩を挟むなどしましょう。集中するとまばたきの回数が減ってしまうので、意識的にまばたきするのもおすすめです。

コンタクトレンズの装用も要因のひとつ。コンタクトレンズに涙が奪われてしまうので、どうしてもドライアイになりやすいんです。乾燥がひどいときは、コンタクトレンズをはずしてメガネにしたり、保湿効果の高いコンタクトレンズもあるので、試してみてください。

また最近、若い方で多いのが、アイプチが原因のドライアイ。

アイプチをしていると、まぶたがひっぱられているので、まばたきをしても上まぶたがしっかり下まで落ちず、正しくまばたきが出来ていないんです。そのため、常に目の下１／４〜１／５くらいが乾いた状態に。上のまぶたと下のまぶたがきっちりくっつく、質のいいまばたきを心がけてください。」

編集部「ドライアイを改善する方法について、教えてください。」

久保田明子院長「ご自分でできる事としては、涙が目の表面全体に行き渡る、質のいいまばたきをすること。

後は、よくある市販の目薬の力を借りることなんですが、ここでの注意点は、使用頻度。

ドライアイを気にされている方って、目薬を必要以上にドバドバとさされるのですが、これではかえって悪循環。慢性的なドライアイを引き起こしてしまいます。

少し難しい話しになりますが、涙の中には”ムチン”という成分が含まれています。
これは何かというと、カエルやドジョウなどの表面を覆っている、ぬるぬるとした物質のこと。
あれがあるから、彼らは干からびることなく過ごせているんですね。

目の中にもムチンが必要で、ムチンがあるからこそ、涙が目の表面に均一にのっていられるんです。

ところが、市販の目薬を大量にさすと、大切なムチンを洗い流してしまうことに。結果、ドライアイの症状が悪化してしまうことになりかねません。

なので、よくある涙の代用品の市販薬は、用法を守って、適度に使用するようにしてください。

眼科で行う治療の場合は、涙を増やしたり定着させる目薬や、ムチンを作っている細胞に働きかけてムチン自体を増やす目薬もあります。

これらは、眼科処方薬のみ。残念ながら、市販薬の場合は、涙の代用品までしかありません。
そのためにも、気になる症状があれば、きちんと眼科で検査されることをおすすめします。

ちなみに、涙の量自体が少ない方の場合は、”涙点プラグ”といって、涙の流出口にプラグ（栓）を埋め込み、涙を目の表面に貯めるという治療法もあります。

いずれにしても、涙の量を図る検査など、すべて眼科で行っていますので、不調を感じられたら、お気軽に相談にお越しください。」

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目の乾きが気になると、市販薬をドバドバと大量に点眼して治療した気になっていました、反省…。カラコン愛用者の皆さん、慢性的なドライアイにお悩みなら、セルフケアではなく、眼科を受診しましょう。