スギ花粉症の救世主！最新医療「舌下免疫療法」って？

花粉症で一番多いのがスギ花粉症。早いときでは１月末から飛びはじめ、5月まで続く（年の１/３！）のも辛いところですよね。スギ花粉症の治療にはマスクや眼鏡をして花粉を回避する、症状を軽くするために目や鼻の炎症を抑える薬物治療などがありますが、注目の最新治療法で、アレルゲン治療法のひとつ「舌下免疫療法」について千駄ヶ谷インターナショナルクリニックの院長・篠塚規先生に教えていただきました。

スギ花粉症のアレルゲン免疫療法「舌下免疫療法」とは？

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アレルゲン免疫療法は、アレルギーの原因であるアレルゲンを少量から投与することで、体をアレルゲンに慣らして症状を和らげる治療法のこと。「アレルゲン免疫療法にはいろいろありますが、スギ花粉症の人には“舌下免疫療法”がおすすめです」と篠塚先生。

いわゆる一般的な薬の治療とは、どこが違うのでしょうか。
「市販薬を含め、薬物療法は対症療法。症状を起こす物質（ヒスタミンなど）の働きや鼻の中の炎症をおさえて症状を和らげるもの。アレルゲン免疫療法は、体をアレルゲンに慣らして、症状を和らげたり、根本的な体質改善が期待できる治療法なんです」

治療は１日１回の投薬が数年続く

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「舌下免疫療法とはその名の通り舌下に治療薬を投与。初回は病院で行いますが、2回目からは自宅で行えますよ。１日１回の投与になります。少量の治療薬から服用をはじめ、量を増やしていきます」
その後、決められた一定量を数年間にわたり継続して服用していくのだとか。具体的には治療薬を口の下に入れ、定められた時間保持してから飲み込むというもの。
「その後5分間はうがい、飲食を控えます。スギ花粉が飛んでいない時期も含め、毎日服用することが大切です。当院では治療を開始してから3年ほどになりますが、通院されている患者さんで花粉症が悪化したという方は今のところいません。治療されている方はほとんどが重度の花粉症の方ですが、ほとんどの方が症状が和らいで、ラクになっているようです」

ただすぐに効果が期待できるというわけではないのでご注意を。
「花粉が飛び始める春に効果を出すためには、前年の秋頃から投薬することが大事。症状が出始めてから、来院されても、治療を始めることはできないんです。また投薬を始めたら毎日服用することを3年以上続けることが推奨されています」

治療期間が長めだが、年間の1/３もスギ花粉のせいで、「目がかゆい」「鼻水がでる」「ぼーっとする」などの症状に悩まされている人なら、ぜひ試したくなる治療法ですよね。

治療を受けたい人は内科がおすすめ

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もうひとつ、舌下免疫療法に興味を持ち、治療を受けたいという人は内科を受診するのがおすすめです。
「花粉症というと耳鼻咽喉科や眼科に行く人が多いですが、舌下免疫療法はアナフィラキーショック（※医薬品などに対する急性のショック症状）が起こらないともいえないため、まずは内科を受診してスギ花粉症かどうかを確定診断されること。それから医師に治療相談をしましょう」
ちなみにスギ花粉舌下免疫療法はスギ花粉症と診断された12歳以上の人なら受けることができ、保険適応内とのこと。

まだ始まったばかりの治療法なので、受けられる病院も限られていますが、興味を持った人はぜひ下記のサイトでお近くの病院を調べてみてください。残念ながら今年の花粉シーズンはもうはじまっていますが、来年の花粉シーズンに向けて、この秋からはじめてみてはいかがでしょうか。

お医者さんに相談しよう｜舌の下（したのした）で行う鳥居薬品の舌下免疫療法専門サイト

こちらは、鳥居薬品がお届けする舌の下（したのした）で行う舌下免疫療法の専門サイト『お医者さんに相談しよう』のページです。こちらのサイトでは、舌下免疫療法に関し相談できる施設検索をはじめとして、アレルゲン免疫療法の種類や効果など、さまざまな情報を掲載しています。

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スギがある限り、花粉症は続いていくもの。こうなったら、薬での対処療法でごまかし続けるのではなく、根本的治療をするのもいいのかもしれませんね。悩める方たちの参考になっていたらうれしいです♪

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取材・文／山本久美

監修：篠塚規先生（千駄ヶ谷インターナショナルクリニック院長）

千葉大学医学部卒業。米国ピッツバーグ大学医学部勤務した経歴を活かし、日本旅行医学会を設立。外国人診療やトラベルクリニックとしても力を注ぐ。2002年ヨーロッパ旅行医学会よりユリシーズ賞授与。http://www.sendagaya-ic.com/