乱視の人ってカラコンつけられる？or つけられない？

筆者の人生を思い返せば、強度近視と乱視に悩まされた日々でした。

裸眼で過ごせたのは小学生の低学年まで。早々にメガネっ子になるも、あまりの不自由さにメガネを放棄し、無理やり裸眼で目を細めて黒板を見るように。それが悪影響を及ぼしたのか、ますます近視がすすみ、中学生でついにソフトコンタクトデビュー！ あまりの快適さに感動していたにもかかわらず、わずか３年で「乱視が強いので、ソフトでは矯正できません」という先生からのお達しが…。柔らかいソフトから硬いハードレンズへの変更は、異物感が半端なく、慣れるまでが本当に大変でした。

あれからうん十年。今も、「乱視が強いのでソフトでは矯正できません」という言葉に縛られ、ずっと、カラコンとは無縁の人生を過ごしてきました。が、そろそろ、もしかしたら、もう乱視でもカラコンを楽しめるのでは？ これだけカラコンの種類も増えているし。という思いを抱き、早速、取材をさせていただくことに。

筆者「昔、『乱視が強いからハードでないと矯正できない』と言われたんですが、やはりカラコンは無理でしょうか？」

久保田明子院長「そうですね、乱視の方はハードの方が視力の矯正がしやすいのは事実です。乱視は数値化できるので、どの程度の乱視なのか、一度測定してみましょうか。」

早速、測定機に案内され、乱視の検査をすることに。これがほんの数分で完了！あごを台にのせて、モニターに映る気球の絵を見るアレです（笑）これで、近視や乱視など屈折の度数(程度、強さ)が分かるのだとか。さて結果は？

久保田明子院長「凄い強度近視ですねー。でも乱視の方はそれほどでもないですよ。右は、マイナス0.25。これはほぼないに等しい数値です。乱視が0という方は探すのが大変なくらいなんです。左は、マイナス1.50。これもそこそこの乱視、といった程度です。マイナス3以上だと強度乱視となるのですが、そこまで強い乱視ではないですね。」

筆者「え？そうなですか？ 昔から乱視が強いって言われていたのでびっくりです。」

久保田明子院長「もしかしたら、今までハードレンズで押さえつけていたから、この程度の乱視ですんでいるのかもしれません。

ハードレンズは硬いので、角膜の形を矯正してくれることもあるんです。なので、レーシックの場合も、術前検査をする前の約１ヶ月間は、ハードコンタクトを外した状態で過ごしてただくようにお伝えしています。ハードを入れていると角膜が押さえつけられる事で平坦化しているので、元に戻した状態でないと正確な検査ができないんです。それくらいハードを使用していると、角膜の形が変わるんですね。」

筆者「私も、カラコンできそうですか？」

久保田明子院長「はい、大丈夫ですよ。本当に数は少ないのですが、乱視用のカラコンもあるんです。ただ、ただ、乱視用はレンズを合わせるのが難しいので、量販店などで求めるのではなく、きちんと眼科で検査を受け処方箋を発行してもらう事をお勧めします。
もう１点、ハードからソフトに変更する場合の注意点があります。先ほどお話したように、ハードで押さえられていたために、乱視が弱まっている場合があります。うちの患者さんでも、ハードからソフトに変えてしばらくたってから、徐々に見えづらくなってきたっておっしゃる方がいて。調べてみたら、やはり乱視の戻りが出てきていた、ということもありました。

なので、ハードからソフトに変更する場合は、１年分など、あまり大量に購入しない方が良いですね。私のところでは、そういった方への処方箋の有効期間は短か目にしています。」

筆者「なるほど。ハードからソフトへの移行期間は、様子を見ながらレンズを合わせていくといいいんですね。先生、本日はありがとうございました！」

★★★★★★
冒頭の、「乱視の人もカラコンはつけられるか？」という問いの答えは、「つけられる！」でした！ついに筆者も、長年の夢だったカラコン生活を楽しめそうです。まずは土日やイベントのある日など、試験的にチャレンジしてみたいと思います。筆者と同じように「乱視用のサークルレンズはないから…」と諦めていた方、ぜひ一度、眼科で相談されてみては？